goodbyeの船には来月後半、オスマンの緑月旗が翻っている予定です。では近況から。
▼賞金首の剣士、逃げる
最近は剣士へ転職して、NPC狩りをメインに遊んでいます。R10に満たない防御・戦術・銃撃を中心に鍛えているのですが、もちろん今さら白兵スキルに不足を感じたわけもなく、主たる目的は他にあります。溜まった録画DVDの処理と、対オスマン帝国の友好度上げですね。飽きたらお金稼ぎも兼ねて、レアハントにジャワ海方面へ出張したり。
NPC狩り自体は単調で‘ながら作業’に最適なのですが、かなりの高額で売れる重装船尾楼を3つ持った状態でPKK(海賊討伐艦隊)のかたに追いかけられるなど、賞金首ゆえのスリリングな事態もほどよく起きています。
▼スルタン謁見に向けて
PC国家としてのオスマン帝国実装が目玉の大型アップデート、とうとう来月半ばに迫りました。新PC国家の実装という意味では、実に3年半ぶりということに。
公式HPでの告知: http://www.gamecity.ne.jp/dol/cruzdelsur/ottoman.htm
旧来の6国家間におけるプレイヤー所属国の移動は“亡命”システムにより可能でしたが、オスマン帝国への移籍については表現が“契約”という言葉に変更されました。とはいえ契約に時限性があるわけでもなく、枠組みは基本的に同じ様子。呼称による外見上の差別化、歴史宗教感情への配慮、といったところでしょうか。いずれにしても、微妙、とだけ感想を述べておきます。これに限らず全体的に、こういうところで演出できる“粋”もあるのに敢えて野暮をとる方向性は、現在の開発陣に一貫してますね。
わたしがオスマン旗への移籍を決めているのは、新仕様への興味からではなく、むしろ‘大航海Online’を継続的に遊びたくなるような動機が現状ではあまり感じられずにいるからです。ならばこの規模のアップデートが必然的に惹起するだろう諸々のアンバランス設定や、それに付随して起こるだろう局所的な不条理劇の幾らかを満喫するのに最適なポジションを採ろう、という目論見ですね。
現在告知されている移籍条件は、支払うべきコストの予想外の大きさが、移籍に前々から関心のあったプレイヤーの多くを逡巡させているようです。けれども個人的には、そうした迷いが持てることを逆に羨ましくも思います。昨年は都合4回しか課金しませんでした。コストの大きさゆえ移籍を諦めたとして、現状が続くだけなら今年はさらに課金回数も減ることでしょう。思い入れのあるゲームだけに、これはとても残念な事態なのです。ゆえに、オスマン。
アミバ様の木人形狩り日誌: http://amibasama.seesaa.net/article/112699276.html
すでに告知のある新要素についての個別の感想は割愛。代わりに古参プレイヤーが抱く意見の一例を紹介しておきます(↑前後にも関連記事があり)。総じて毒舌調ですが、公式HPでの告知を古参プレイヤーの立場から論理的に捉えれば大体そうなるという思考が、よく網羅されていると思います。ちなみにアミバ様は、Notosサーバの古株なら恐らく誰もが知る名物プレイヤーです。(仮面的に)
▼開発者インタヴューの怪
個人的に気になるのは個別の設定がどうこうという話より、全体として最近のアップデートの目指す方向性がさっぱり見えないことです。見えない以上、共感することも楽しみに待つこともありえません。たとえば大型アップデートの前には4Gamer.netによる開発担当者2名へのインタヴュー掲載(↓)が恒例になっていますが、少なくない古参プレイヤーの目にはこれが胡散臭く映って失笑を買うのもまた‘恒例’になっています。
4Gamer.net: http://www.4gamer.net/games/013/G001372/20081225077/
教祖blog in Notos: http://nekokyoudan.blog14.fc2.com/blog-entry-1385.html
最近のインタヴューにもその徴候は顕著に表れています。たとえば直近のアップデートに関して毎回登場する「プレイヤーの皆さんに大変喜ばれた」「ご満足いただけた」といった類の発言。これは既存のプレイヤー向けというよりは、この記事を機にプレイを始めるかもしれない4Gamer.net読者へ向けられたものと考えられます。十把一絡にされた既存のプレイヤーとしては、そう受け取らなければ不快に感じるひとすら少なからずいるはずです。しかし潜在的な新規プレイヤーへのPRとして、今回の4ページにも渡る長文はどうみても不適切です。
ではやはり既存プレイヤー向け‘でも’あったのか。無論そうなのでしょうが、しかしプレイ履歴の長い人間であれば、この二人の発言には外向きの誇張が大量に含まれていることは遠い昔に誰しも気づいているはずです。実際にその言葉にどれだけの内実があるかが問題なのではなく、そのように感じさせてしまう発言を常とすることが、読み取れる意図に照らせば相当に不可解なのですね。
いま新しいネットゲームを始めようと思ったら、まず公式HPを検索するなどしてそれがどんなゲームかを確認しますよね。同様にどれくらい面白そうなのかは、実際にプレイしているひとのブログなりSNSでの感想なりを探したうえで推し量るものだと思います。ソフト産業における広告戦略においてユーザーの声ほど決定的なものが他にないことは、各種娯楽産業の行う口コミ戦術やAmazon等の品評システムを持ち出すまでもなく明らかでしょう。
しかしそのユーザーサイドの肉声による文章に、例えば上掲の教祖ブログ(←各種検索サイトにおいてこのジャンルの最上位にランクされやすいブログの一つ)における皮肉のように、あるいは以前話題になった、この二人をモデルとするAA(アスキーアート)に代表される嘲笑的な反応が並んでいればどうでしょうか。そうなれば新規巻き込みの目的としても、既存プレイヤーへのアピールとしても、インタヴューでの二人の見せ方は上策ではなかったということになります。
話を元に戻すと、長いスパンでの拡張計画に対して既存プレイヤーがまず何よりも望むのは、やや抽象的に言えばできるだけ齟齬の少ない流れのなかに自分のキャラを位置づけられる“見取り図”のようなものではないかと思います。要はグランドデザインの提示なのですが、外観的には‘ゲーム世界がこうなる頃には、自分のキャラはこういう方向へ持っていこう’というようにプレイヤー各自が抱く物語のメディウムになりうる形でアウトプットされる必要があるはずです。直近のインタヴューで最もそれに近い発言は、1ページ目の中段にあるので以下に一部を引用します。
“「Cruz del Sur」最初のアップデートが世界一周をするというコンセプトから始まったのであれば,その締めとなる部分は……やっぱり世界一周の旅を終えたいですよね。”
……‘その締め’がオスマン帝国実装であるという物語は、果たして既存プレイヤーに対するインセンティヴとしてどれほど機能するのでしょうか。あるいは発言の意図は別にあったのでしょうか。何を言うべきかおぼろげに分かっていながら、そのための言葉を準備しきれていない、そういう印象すら受けてしまいます。わたしにとってそれは、メガネの男性が毎度繰り返すこじつけめいたセリフともども、やはり謎のままなのです。
▼おまけ
ちょっと今回、マイナスオーラが出すぎたかも。でも、開発資金力より発想の問題、みたいなところが目につくと、もったいないよな~、残念だな~、って思っちゃうんですよね。ついでに1年前と2年前に書いたオスマン帝国実装関連の記事URLを下記に。想い続けて幾星霜。
王朝のゆくえ: http://75061.diarynote.jp/?day=20071216
麾下の破軍: http://75061.diarynote.jp/?day=20070209
「麾下の破軍」中の対人上納品を巡る新仕様については、オスマン帝国所属のプレイヤーについてのみ使用を禁じることでプレイヤーのゾーン分類ができるのではという思いつきでした。現在告知されている仕様下ではまずありえない設定ですが、直近のインタヴュー中にあるようなユーザーサイドからの要請に対しては、全プレイヤーに対し一律に発揮される費用対効果のバランスを変更するより、ゾーン分けという発想のほうがまだ効くと思います。日本実装に関しても過去記事中で言及した状況がオスマン実装によって変わるため、新たに思うところはあるのですがまたの機会に。
▼賞金首の剣士、逃げる
最近は剣士へ転職して、NPC狩りをメインに遊んでいます。R10に満たない防御・戦術・銃撃を中心に鍛えているのですが、もちろん今さら白兵スキルに不足を感じたわけもなく、主たる目的は他にあります。溜まった録画DVDの処理と、対オスマン帝国の友好度上げですね。飽きたらお金稼ぎも兼ねて、レアハントにジャワ海方面へ出張したり。
NPC狩り自体は単調で‘ながら作業’に最適なのですが、かなりの高額で売れる重装船尾楼を3つ持った状態でPKK(海賊討伐艦隊)のかたに追いかけられるなど、賞金首ゆえのスリリングな事態もほどよく起きています。
▼スルタン謁見に向けて
PC国家としてのオスマン帝国実装が目玉の大型アップデート、とうとう来月半ばに迫りました。新PC国家の実装という意味では、実に3年半ぶりということに。
公式HPでの告知: http://www.gamecity.ne.jp/dol/cruzdelsur/ottoman.htm
旧来の6国家間におけるプレイヤー所属国の移動は“亡命”システムにより可能でしたが、オスマン帝国への移籍については表現が“契約”という言葉に変更されました。とはいえ契約に時限性があるわけでもなく、枠組みは基本的に同じ様子。呼称による外見上の差別化、歴史宗教感情への配慮、といったところでしょうか。いずれにしても、微妙、とだけ感想を述べておきます。これに限らず全体的に、こういうところで演出できる“粋”もあるのに敢えて野暮をとる方向性は、現在の開発陣に一貫してますね。
わたしがオスマン旗への移籍を決めているのは、新仕様への興味からではなく、むしろ‘大航海Online’を継続的に遊びたくなるような動機が現状ではあまり感じられずにいるからです。ならばこの規模のアップデートが必然的に惹起するだろう諸々のアンバランス設定や、それに付随して起こるだろう局所的な不条理劇の幾らかを満喫するのに最適なポジションを採ろう、という目論見ですね。
現在告知されている移籍条件は、支払うべきコストの予想外の大きさが、移籍に前々から関心のあったプレイヤーの多くを逡巡させているようです。けれども個人的には、そうした迷いが持てることを逆に羨ましくも思います。昨年は都合4回しか課金しませんでした。コストの大きさゆえ移籍を諦めたとして、現状が続くだけなら今年はさらに課金回数も減ることでしょう。思い入れのあるゲームだけに、これはとても残念な事態なのです。ゆえに、オスマン。
アミバ様の木人形狩り日誌: http://amibasama.seesaa.net/article/112699276.html
すでに告知のある新要素についての個別の感想は割愛。代わりに古参プレイヤーが抱く意見の一例を紹介しておきます(↑前後にも関連記事があり)。総じて毒舌調ですが、公式HPでの告知を古参プレイヤーの立場から論理的に捉えれば大体そうなるという思考が、よく網羅されていると思います。ちなみにアミバ様は、Notosサーバの古株なら恐らく誰もが知る名物プレイヤーです。(仮面的に)
▼開発者インタヴューの怪
個人的に気になるのは個別の設定がどうこうという話より、全体として最近のアップデートの目指す方向性がさっぱり見えないことです。見えない以上、共感することも楽しみに待つこともありえません。たとえば大型アップデートの前には4Gamer.netによる開発担当者2名へのインタヴュー掲載(↓)が恒例になっていますが、少なくない古参プレイヤーの目にはこれが胡散臭く映って失笑を買うのもまた‘恒例’になっています。
4Gamer.net: http://www.4gamer.net/games/013/G001372/20081225077/
教祖blog in Notos: http://nekokyoudan.blog14.fc2.com/blog-entry-1385.html
最近のインタヴューにもその徴候は顕著に表れています。たとえば直近のアップデートに関して毎回登場する「プレイヤーの皆さんに大変喜ばれた」「ご満足いただけた」といった類の発言。これは既存のプレイヤー向けというよりは、この記事を機にプレイを始めるかもしれない4Gamer.net読者へ向けられたものと考えられます。十把一絡にされた既存のプレイヤーとしては、そう受け取らなければ不快に感じるひとすら少なからずいるはずです。しかし潜在的な新規プレイヤーへのPRとして、今回の4ページにも渡る長文はどうみても不適切です。
ではやはり既存プレイヤー向け‘でも’あったのか。無論そうなのでしょうが、しかしプレイ履歴の長い人間であれば、この二人の発言には外向きの誇張が大量に含まれていることは遠い昔に誰しも気づいているはずです。実際にその言葉にどれだけの内実があるかが問題なのではなく、そのように感じさせてしまう発言を常とすることが、読み取れる意図に照らせば相当に不可解なのですね。
いま新しいネットゲームを始めようと思ったら、まず公式HPを検索するなどしてそれがどんなゲームかを確認しますよね。同様にどれくらい面白そうなのかは、実際にプレイしているひとのブログなりSNSでの感想なりを探したうえで推し量るものだと思います。ソフト産業における広告戦略においてユーザーの声ほど決定的なものが他にないことは、各種娯楽産業の行う口コミ戦術やAmazon等の品評システムを持ち出すまでもなく明らかでしょう。
しかしそのユーザーサイドの肉声による文章に、例えば上掲の教祖ブログ(←各種検索サイトにおいてこのジャンルの最上位にランクされやすいブログの一つ)における皮肉のように、あるいは以前話題になった、この二人をモデルとするAA(アスキーアート)に代表される嘲笑的な反応が並んでいればどうでしょうか。そうなれば新規巻き込みの目的としても、既存プレイヤーへのアピールとしても、インタヴューでの二人の見せ方は上策ではなかったということになります。
話を元に戻すと、長いスパンでの拡張計画に対して既存プレイヤーがまず何よりも望むのは、やや抽象的に言えばできるだけ齟齬の少ない流れのなかに自分のキャラを位置づけられる“見取り図”のようなものではないかと思います。要はグランドデザインの提示なのですが、外観的には‘ゲーム世界がこうなる頃には、自分のキャラはこういう方向へ持っていこう’というようにプレイヤー各自が抱く物語のメディウムになりうる形でアウトプットされる必要があるはずです。直近のインタヴューで最もそれに近い発言は、1ページ目の中段にあるので以下に一部を引用します。
“「Cruz del Sur」最初のアップデートが世界一周をするというコンセプトから始まったのであれば,その締めとなる部分は……やっぱり世界一周の旅を終えたいですよね。”
……‘その締め’がオスマン帝国実装であるという物語は、果たして既存プレイヤーに対するインセンティヴとしてどれほど機能するのでしょうか。あるいは発言の意図は別にあったのでしょうか。何を言うべきかおぼろげに分かっていながら、そのための言葉を準備しきれていない、そういう印象すら受けてしまいます。わたしにとってそれは、メガネの男性が毎度繰り返すこじつけめいたセリフともども、やはり謎のままなのです。
▼おまけ
ちょっと今回、マイナスオーラが出すぎたかも。でも、開発資金力より発想の問題、みたいなところが目につくと、もったいないよな~、残念だな~、って思っちゃうんですよね。ついでに1年前と2年前に書いたオスマン帝国実装関連の記事URLを下記に。想い続けて幾星霜。
王朝のゆくえ: http://75061.diarynote.jp/?day=20071216
麾下の破軍: http://75061.diarynote.jp/?day=20070209
「麾下の破軍」中の対人上納品を巡る新仕様については、オスマン帝国所属のプレイヤーについてのみ使用を禁じることでプレイヤーのゾーン分類ができるのではという思いつきでした。現在告知されている仕様下ではまずありえない設定ですが、直近のインタヴュー中にあるようなユーザーサイドからの要請に対しては、全プレイヤーに対し一律に発揮される費用対効果のバランスを変更するより、ゾーン分けという発想のほうがまだ効くと思います。日本実装に関しても過去記事中で言及した状況がオスマン実装によって変わるため、新たに思うところはあるのですがまたの機会に。
コメント
に船大工になって、転職証も持っていくつもりですが、最新の
戦術を通常通りリスボンから各首都をまわらせるつもりなのか?
という疑問いっぱいです。戻る事も可能。ってありますけど、
苦し紛れに出してきたカードに見えて仕方ないです。
この辺りでシナリオリセットシステム(無双のようなヤツ)か
新しい下地で2を作ったほうが「ユーザー」にとっては面白い
と思います。
会社としては一旦作ったシステムで長く儲けたいんでしょうけど
ね。
けれども例えば「最新の戦術」のために、討伐されるリスクを前提として各首都で一回ずつ賄賂を払って回らせる程度のことが、仕様上の問題として運営側に認識されることなどはまず考えられません。それよりずっと以前の問題として、ずっと大きなコストをオスマン帝国所属のプレイヤーに強いる局面は容易に多々想定可能だからです。そして言うまでもなくそうした面での一定の‘押し切り’を入れ込んだゆえの、‘高難度’設定のはずですよね。
しかしそもそも敵対度関連の諸条件が現状維持されたとして、‘敵意’状態でも悪名さえ落とせば賄賂は要求されなかった記憶があります。またこの種の疑問や不安はすべて現在告知されている情報や提示されたSSからプレイヤーたちが勝手な推測により導いているだけのもので、例えば賄賂や敵対度関連の条件がアップデートのなかで一律に変更されたり、オスマン帝国のみ特別条件が課される可能性を踏まえれば、あまり根拠のある話にもなりえません。
アイロニカルな物言いとして‘大航海時代Online2’への期待を云々するのは勿論アリでしょうが、現時点で同じKOEIという会社から同じハードで同じ大航海時代をコンセプトにしたMMOが新たに出ることはあらゆる意味であり得ず、また「ユーザー」一般にとって面白い事態になるともまったく思いません。 MMOが抱える本質的特徴の一つである持続発展性と現在の市場的状況は、たった4年での全面リニューアル+再販売を恐らく許容しないからです。